16世紀デンマークの天文学者ティコ・ブラーエは、地球を中心に太陽(火星など惑星は太陽の周りを廻る)が廻る変則的な天動説をとっていたが、肉眼によるものでは最も精密に火星の軌道を観測した。ティコ(慣習として姓でなく名を通称とする)の助手であったヨハネス・ケプラーは師の死後、観測データを解析することで惑星の軌道が円ではなく楕円であること、さらに火星の軌道から他の惑星の軌道も楕円でありケプラーの法則に従うという地動説を主張した。公転速度が早く観測しやすい火星の軌道離心率が冥王星や水星に次いで大きい0.0934であったことも幸運であった。
1877年の火星大接近とスキアパレッリの発表に始まった火星運河説に重大な疑問を投げかけたのが、エッジワース・カイパーベルトの提唱者の一人であるカイパーである。1947年、火星を赤外線帯で観測し、大気の成分が二酸化炭素であると主張した。地球大気の重要な成分である窒素、酸素、水蒸気の痕跡は見当たらず、文明を持つ火星人の存在はほぼ否定された。
| 地球は780日(2年と7週間と1日)ごとに火星を追い越し、そのときの距離は約8000万kmまで接近する。しかし、火星軌道が楕円であるために最接近時の距離は変化する。火星の近日点付近で接近すれば接近距離は5600万km程度となるが、遠日点付近で接近すれば1億km程度と2倍近く距離が異なる。肉眼で観測していると、火星は通常、他の星とはっきり異なる黄色あるいはオレンジ色や赤っぽい色に見え、軌道を公転するにつれて地球から見る他のどの惑星よりも大きく明るさが変化する。これは、火星が地球から最も離れる時には最も近づいた時の7倍以上も距離が離れるためである。 |  マーズパスファインダーによって撮影されたアレスの谷付近 |
|
なお、太陽と同じ方向にある合前後の数ヶ月間は太陽の光で見えなくなることもある。最も観測に適した時期は32年ごとに2回、15年と17年をおいて交互にやってきて「大接近」と呼ばれる。この時期は常に7月終わりから9月終わりの間になる。この時期に火星を望遠鏡で見ると表面の様々な様子を詳細に見ることができる。低倍率でも見える特に目立つ特徴は極冠である。
2003年8月27日9時51分13秒(UT)に火星は過去60,000年で最も近く、55,758,006 kmまで地球に接近した(惑星光行差補正なしでの値)。この大接近は火星の近日点通過の3日後が火星の衝の翌日と重なったために生じたもので、地球から火星を特に見やすくなった。これ以前に最も近く接近したのは紀元前57617年9月12日と計算されている [6]。太陽系の重力計算の詳細な解析から、2287年には2003年よりも近い接近が起こると計算されている。しかし正確に見ていくと、この記録的な大接近は284年ごとに4回起きている別の大接近よりもごくわずかに近いだけであることが分かる。例えば、2003年8月27日の最接近距離が 0.37271AU であるのに対して1924年8月22日の最接近距離は 0.37284AU であり、2208年8月24日の接近は 0.37278AU である。
2084年11月10日には火星から見て地球の日面通過が起こる。この時には太陽と地球、火星が一直線上に並ぶ。同様に火星から見た水星や金星の日面通過も起こる。火星の衛星であるダイモスは火星から見た角直径が十分に小さいため、ダイモスによる部分日食も日面通過と見なせる。
【その他のランキングサイト】
・
FC2ブログランキング
・
くる天 人気ブログランキング